人生まあるく

どうでもいいことやどうでもよくないことぽろぽろ

悲しみ母ちゃん

うちの子は、かわいい。

そりゃあもうめちゃくちゃにかわいい。
親なんだからそう思うのは当然も当然、
まああたりまえのことなんだけどね。

上のちょっと反抗期に入ってきた11歳も
ものすごくかわいいのはもちろんだけど、
下の舌っ足らずな3歳児ちゃんは
今がとにかくいちばんかわいい時期と言っても
過言ではないくらいに愛らしくて。

カットバンのことをぱっとこんと言って
プレゼントのことをぷぜれんとと言って
しゃしゅしょがうまく発音できなくて
かもーつれっさ、すっすっすー♪と歌って
おかあさんだーいすき!と毎日言ってくれる3歳。

そりゃあもう目に入れても痛くないどころか
この子のためならあたしゃ今この瞬間にでも
喜んで命を捧げますよ!って
世界中に敬礼してみせたくなるほど愛おしい。

そんなうちの3歳児さまは
とにかくお風呂が大好き。
特にバブとかしゅわしゅわする入浴剤を
入れてはいるのがお気に入り。

入浴剤のことはたぶん聞こえたまんま同じ発音で
"ねんどくさい"って呼んでいる。
ちなみに保育園のみちこ先生のことは
これまた聞こえたまんまなんの疑いもなく
"いちご先生"って呼んでいる。

そんな3歳ちゃん、お風呂からあがるとき
毎度まいど「あ~きもちよかったあ~」って言う。

その言葉を聞くたびにわたしは
なんだかうれしいような悲しいような
モヤモヤするような複雑な気持ちになる。

この子が生まれてきてくれて、
あ~きもちよかったなあと思ってくれて
なんてうれしいんだろうという気持ちと、
こんな風に心から呟いてくれる
かわいくて愛しくて仕方ないこの子も
いつかはこの世から
いなくなってしまうんだなあという悲しみ…。

人間の致死率が100%なのはあたりまえ。
誰しもがいつかはいなくなる、わかってる。

だけど、自分で自分の世界一愛しいひと、
いつか死ぬ運命のひとをこの世界に
誕生させてしまったということの
重みと責任と悲しさとさみしさと
とにかくいろいろ複雑な感情が混ざりあって
かわいくてたまらないと思うたびに
もしや自分はとんでもないことを
しでかしてしまったんじゃないかと
どうしようもなくて発狂しそうになる。

とある事情があってわたしは自分が
死ぬことはないものと思っていたんだけど
その思想が崩壊して
自分がいつか死ぬという運命を受け入れたとき
あーこれで楽になったなあと思った。

たぶん、死ぬことは不幸なことじゃない。
生をたのしんで精一杯やりきったことの結果、
誰しもに訪れる着地点でしかないんだよね。

この子たちにも
いつか自分がその着地点に立つということを
おそれず悲しまずすんなりと受け入れ
そのときまで精一杯生きることを楽しんでほしいな。

お風呂に入って、あ~きもちよかった!って
たくさん言ってほしい。
たくさんおいしいものを食べて
たくさん恋をして、傷ついて立ち上がって
つよい心で自分の力で生きていってほしい。

わたしの願いは
どうかこの子たちより先にいけますように。
それだけだな。

この子たちが生まれてこれてよかったと
そう思って終えられる生涯を歩んでくれますように。

そう思うけど、
やっぱりまだちょっと悲しくてせつない。
母になるということには
こんな気持ちもついてくるんだなって
世界でいちばん大事なひとたちの
頭をなでながら今日も噛みしめてる。
そんな毎日です。